For Sale?
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何でだ!と思ってネットをさまようと、自信もライターとして参加していた清水和夫氏のブログにこんな記事が。ラスト2号で編集長をつとめるシオミ氏がしかけた読者サービスに上層部からケチがついて、手直しのため遅れていたのでした。
部屋の本棚をかき回して手元にあった一番古いNAVIは1991年8月号 No.89で、特集は「スポーツカーに乗ろう、と思ったりして……」。物置にもう少し古いのもあるはずですが、この号あたりは特別読み込んであります。この数年後に念願のマイカー(死後)を購入すべくバックナンバーを穴が開くほど読み返しており、付箋のついた部分を開いてみると、NAVI TALKで徳大寺巨匠と舘内端氏、そして大川悠氏があるクルマに大喝采送っています。それこそが私が初めて自分のために買ったホンダ・ビートでした。大げさでなく表紙から巻末の新車番付まで舐めるように読み尽くしていたのが、まさに90年代。私のクルマ観はここで形成されたと言っても過言ではありません。
そのころのNAVIは、ホンダ・コンチェルトやトヨタ・アヴァロン、日産レパードJフェリーを熱烈に推し、カリーナEDとマツダ・ペルソナのパッケージングに苦言を呈し、非力なヨーロッパ大衆車のベーシックグレードに光を当て続け、宮崎駿にクルマネタの漫画を書かせ、長期リポートの2CVは炎上し、同じく長期リポートのアルト5ドアは海に沈没したりしておりました(笑。スズキ編集長の活躍に象徴される黄金期のNAVIは、紙面のあちこちがクルマ文化の牽引者たらんとする気概に充ち溢れ、クルマをお得に手に入れる方法ではなく、クルマでゴキゲンな人生を手に入れる方法が追求されていたのでした。
不景気が当然の毎日として続き、クルマ者の居所が世間からじわじわと駆逐されていくにつれて、NAVIに限らずクルマ雑誌の元気はどんどん萎えていましたが、売らんがための提灯記事を取り入れつつも、そんな日陰者になりはてたクルマ趣味をそんなもんだと受け止め、でも好きだから続けていきたいという気持ちを、最近のNAVIに感じていました。特に最後の2号を舵取りした塩見智氏の記事は、NAVIなのにアメ車をリポートしたり、NAVIなのにモテを追求したり(笑 していたので、次期編集長と知るや大きな期待を抱いていたのです。本当に残念でならない!
3月1日、やっと発売なって本屋のおばさんが届けてくれた最後のNAVI。ページをめくる前にぺんてるのマジックを取り出して、表紙を完成させることにしました。
感慨に浸りつつ読んだ、シオミ編集長による最後の2号は、近年稀に見る「NAVI節」が至る所に見て取れました。昔に戻ったんじゃなくて、現代のNAVIに成り得てるんじゃないかなあ。同じ名前では二度と現れないかもしれないけれど、きっとNAVIのタマシイは近いうちに復活すると思います。