舶来工具
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Betaと並ぶイタリア製の高級工具として有名ですが、紹介されたのはこちらのほうがずっと後だと記憶しています。Tipo誌で初めて見た時には、F1フェラーリチームのオフィシャル工具というふれこみだったと思いますが、最近はBetaみたいですね。
さて、うちのはスパナがNo.252という品番で10-13mmという珍しい組み合わせ、表面は梨地仕上げで、ものすごく薄い作りになっています。上のリンクから同じ品番をたどっていくと、クロームメッキ仕上げで、このミリ数の組み合わせはない。この工具、実は私が買った物ではなくて、2年ほど前に亡くなった祖父の工具箱に入っていた物です。
別に先祖代々イタ車マニアだった訳ではなく(笑、祖父が生前にニット生地の下請けをしていた時に稼働させていた、イタリア製のジャガード織り機についてきた整備用の工具みたいです。3〜40年は経っているかもしれません。まだ私が小さかった頃、夕飯の時間を知らせに祖父のところに行くと、軽自動車ほどの大きさの編み機2台のガッシャンガッシャンという轟音が、せまい仕事場でこだましていたもんです。確かニットの柄はパンチカードで制御してたなあ。随分前にその仕事は止してしまったので、機械は解体されてもうウチにはありません。じっくり見ておけば良かった。
亡くなった後に工具箱でコレを見つけた時には、イイ形見を貰ったなあと思いました。ヘンなクルマに乗り、工具にも並々ならぬ興味を持ってしまった私が、まだ年端も行かないガキンチョだったときに、すでにこのスパナやレンチは身近に在ったんだなあと思うと、妙な感慨にふけってしまいます。